2010年02月18日

レビエフの登場

デビアス社への激しい憎悪をバネに、成功した人物もいます。
旧ソ連南部、ウズベキスタンの首都タシケントに生れたレビエフ氏です。
彼も、かつてデビアス社の「サイトホルダー」の一人でしたが、
デビアス社の高慢で高圧的なビジネスのやり方に怒りを募らせてきました。
そのデビアス社に対する激しい憎悪が、今日のレビエフを育て上げるバネとなり、
やがてデビアス社の支配を揺るがす存在と成長しました。

それは、金額ベースで世界最大級のダイヤモンド生産地である
ロシアとアンゴラからの仕入ルートを構築し、デビアス社を徐々に包囲しているからです。
それを見て他の生産会社も、
デビアス社の支配に屈しないレビエフのやり方に追随するようになりました。

例えば、オーストラリアのアーガイル鉱山を所有する「リオ・ティント社」は、
1996年、4,200万ctの原石を、初めてデビアス社を通さず
アントワープの研磨業者に直接販売しました。
また、ロシア政府は1990年の当初より原石の一部を他の業者に販売するようになり、
カナダ政府は、デビアス社を特別扱いしませんでした。

このように、デビアス社の威信が低下し、“デビアス離れ”が急速に起き、
同社のダイヤモンド市場のシェアは、
数年前の90%から現在は、40~50%以下に縮小しています。

レビエフ氏は、ダイヤモンドの産出国と直接交渉し、
世界最大のダイヤモンドのカット加工・研磨事業を支配し、
世界中のカット加工業者、研磨業者、ジュエリーメーカーに原石を供給した上、
小売まですべての分野に進出して利益を上げています。

彼は、デビアス社の支配に挑戦することで、巨額の富を築き上げることに成功しました。
また、同氏は、敬虔なユダヤ教徒で、
ロシアと旧ソ連に住むユダヤ人の信仰と民族の伝統を取り戻すため、多額の寄付をしています。

また、レビエフ氏は、ロシアのプーチン大統領を始め、
シャロン・イスラエル首相、サントス・アンゴラ大統領、ヌジョマ・ナミビア大統領など、
ダイヤモンド産出国の多くの指導者と親交を深め、彼らの信頼を得ています。
そして、このように広い地域で構築したコネクションを通じ、
ダイヤモンド原石の安定した供給を確保して、デビアス社と対抗しています。


Posted by 暴力団・ヤクザと芸能界の関係 at 20:25